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2019年3月28日
木更津市
東日本電信電話株式会社
現在国内では、少子高齢化に伴う人口減少、地域の担い手不足や財政的な制約等、これまでの経済や社会システムでは立ち行かない様々な課題が顕在化しています。
こうした中、木更津市においては、大型外航クルーズ船の寄航を中心とした観光推進、デジタル地域通貨「アクアコイン」の導入等、地方創生に向けた様々なアクションプランの実行により、定住人口、交流人口が増加しておりますが、更なる暮らしの利便性向上や高齢者の見守り等、様々な課題と向き合っており、これらの解決を図ることでより魅力的な都市をめざしていきたいと考えています。
一方で、NTT東日本は地域とともに歩むICTソリューション企業として農業・工場向けIoTパッケージ等、様々なソリューションを提供することで課題の解決や産業発展を推進しております。
本実証実験では、木更津市が抱えるさまざまな分野の課題を解決すべく、最新のICTを融合した街づくりを行うことで、木更津市を「地方版スマートシティモデル」とすることをめざします。
なお、本実証実験においては、先端のICTインフラであるローカルセルラー※1やIoT向け無線技術Wi-Fi「IEEE802.11ah」※2の活用も予定しており、ユースケースやニーズに基づき自営で情報通信ネットワーク環境の基盤整備が可能となるため、ルーラルエリア等のスマート化の普及にも繋がると考えております。
本実証実験は、産官学の多様なプレイヤーで検討を進め、課題解決や産業発展につながる実証を随時推進していく予定です。まず第一弾として、「IoTを活用した鳥獣害対策とジビエ産業による地域活性化」に向けた検証を進めていきます。
今後検討を行う分野の候補としては以下を予定しており、検証で得られた知見は、木更津エリアのみならず、他の地方都市への水平展開をめざしてまいります。
【検討分野の候補】
<本実証実験のスコープ>
近年、全国的に野生鳥獣による農作物被害が深刻な問題となっており、中でもイノシシは生息区域が拡大し、庭地の掘り返しや交通事故の発生等、農業以外でも被害が見られるようになっています。木更津市においても、イノシシの捕獲数(5年前に比べ約3.3倍に増加※4)および被害額は今年度過去最大(5年前と比較し約2.5倍以上※5)となる見込みであり、対策のためにさまざまな取り組みを行っているものの、水稲・果樹・野菜等の農作物が被害を受けています。
一方で、狩猟従事者は高齢化、担い手不足により減少傾向にあり、従事者の確保や効率的な鳥獣害対策が課題となっています。
こうした背景を踏まえ、木更津市とNTT東日本はICTを活用したイノシシ捕獲の効率化を検証するとともに、民間の獣肉処理加工場と連携し、獣肉の処理・加工、流通から販売までの一連の工程を担う地域産業の創出・活性化に向けた検討も進めていきます。
本実証実験では、木更津市矢那地域にて、赤外線センサーとネットワークカメラによる鳥獣害の検知、および地理情報システム(GIS)等の技術を活用した効率的なイノシシ捕獲を実証します。
<IoTを活用した鳥獣害対策とジビエ産業による地域活性化(イメージ)>
木更津市 | 鳥獣害対策案の検討、効果測定 | |
---|---|---|
木更津工業高等専門学校 | 鳥獣対策機器の企画・開発 | |
木更津矢那地区の農家 | 実証実験フィールドの提供 | |
地元猟師(合同会社房総山業) | 鳥獣捕獲後の処理 | |
株式会社KURKKU | ジビエ加工、流通、販売 | |
NTT東日本 | 実証実験の全体企画、運営および |
ICT技術(赤外線センサー、ネットワークカメラ等)の提供
2019年4月〜2020年3月(予定)
NTT東日本は、木更津市における検証で得られた知見を地域課題解決の先駆的なショーケースとして他の地域にも発信し、ICTを融合した持続可能な街づくりに貢献していきます。
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